今年の大河の主役である、
真田信繁を語るうえで、欠かせないのが
徳川家康という偉大な人物です。

戦国時代を事実上、
終わらせた人物であるわけですが、

もちろん、徳川家康一人で、
やれたわけでは、なく

家康には、
代々徳川家に仕えた譜代の家臣達が、
影日向(かげひなた)となり

支えたわけですが、
特にのちの徳川幕府成立に貢献した
徳川三傑の一人、

井伊直政について
シェアしていきたいと思います。

では、いきましょう!

小見出し

【徳川家康に天下を取らせた男】

徳川家康が江戸幕府を成立させる草創期に活躍した
3人の武将を
『徳川三傑』(とくがわさんけつ)といいます。

その3人とは?

みなさん、名前が浮かんできませんか?

一人目は、本多忠勝「ほんだただかつ」(藤岡弘さん)

家康武田信玄が対戦した
三方が原の戦いの前哨戦で
武田家の四天王のひとりである、

馬場信春と偶然、出くわし、
敵の数や遭遇した場所が悪かったので
退却することに、

決まったのですが、
そこは、機を見るに敏の馬場信春
ただちに攻撃を開始。

その時、徳川家康率いる本隊を逃がすため
立ちふさがったのが、本多忠勝

愛槍の「蜻蛉切」
(本多忠勝愛用の槍で戦場で
この槍を立てていたところ槍の穂先に
飛んできた蜻蛉[とんぼ]が当たって
2つに切れたことから)

を振り回し殿(しんがり)を務め
無事に味方の退却を成功させます。

二人目は、榊原康政「さかきばらやすまさ」

本多忠勝と同い年ということもあり、
忠勝とは親友の関係だったそうです。

永禄9年(1566)19歳で元服して以来、
家康の数々の戦いで戦功を立てた
康政ですが、

天正12年(1584)、に発生した
羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)との小牧・長久手の戦いでは
秀吉の甥(おい)・秀次の軍に、
奇襲攻撃をしかけ、粉砕。

秀次は、馬も失い、徒歩で命からがら逃亡。

関ケ原の戦いのあと、
家康はこれまでの榊原康政の働きを大いに認め
水戸藩25万石を与えようとしましたが、

康政は、関ケ原では、武功が
無かったとして辞退したそうです。

まさに家康の小姓時代から、
つかずはなれず無欲の人物であったんでしょうね。

そして、
長くなりましたが、
三人目は、榊原康政が心の友と称した

井伊直政「いいなおまさ」

直政は、幼名つまり、幼い頃は虎松(とらまつ)と言われ
永禄4年(1561)2月19日生まれ。

遠江国井伊谷の国人領主の井伊家に生まれました。


場所はこちら

井伊谷の場所
【グーグルマップより】


当時の井伊家の当主は、井伊直盛
今川義元に仕えていました。

虎松の父は、井伊直親
井伊直親は、井伊直盛といとこになります。

井伊家の家系図はこちら(参照)
井伊家の家系図

➡【井伊氏の家系図引用】

虎松が生まれた前年、
永禄3年(1560)、
三河・遠江・駿河の大大名・今川義元

桶狭間の戦い織田信長の奇襲攻撃によって
討ち取られた戦いがありました。

実はこの戦いで、今川家に仕えていた
井伊谷の当主・井伊直盛も戦死。

ここから、井伊家は苦難の連続。
もともと、井伊直盛には、男子の子がなく、娘が一人いました。

この娘こそ、来年の大河ドラマの主役・井伊直虎です。
当時は、次郎法師と名乗って出家していました。

なぜ、出家していたかといいますと
井伊直盛は、次郎法師の婿養子として、
いとこにあたる井伊直親(のちの井伊直政の父)
迎える予定でした。

しかし、許嫁(いいなずけ)の井伊直親は、
同じ今川氏に仕える味方であるはずの
同僚から、謀反の疑いをかけられ、

直親の父・直満や叔父の直義が自害に追い込まれて
います。なので、仕方がなく、信濃へ逃亡。

逃亡すること11年。

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弘治元年(1555)ようやく今川氏に復帰できました。
が、その逃亡生活の間に、
別の女性(虎松の母)を正室に迎えていたので

許嫁(いいなずけ)の次郎法師は、
ついに添い遂げることができませんでした(泣)

そして、婚期を逃し出家していたのでした。

以上のことから
次郎法師の父
井伊直盛が戦死した後、あとを継いだのが、
念願のいとこの井伊直親です。

しかし、その井伊直親の側には、
次郎法師ではない女性が……

次郎法師の心境をおもんばかると、
とてもはかない感じがします。

そして、1年後のちの徳川三傑のひとり
になる井伊直政=虎松が誕生。

ですが、事態はまた、急変します。

永禄5年(1562)にまたもや、
謀反を疑われ井伊直親は、今川氏真(うじざね)によって殺されます。

しかし、この謀反の疑いというのは、
ある人物・小野道高・道好という
父子による讒言(ざんげん)、

いわゆる嘘八百を並べ立てて
井伊家が支配する井伊谷を奪おうとする輩
によって、このような悲劇が発生。

もちろん、当時2歳の虎松の命や
次郎法師まで狙われています。

このピンチを救ったのが、
法師次郎の母、
祐椿尼の兄・新野親矩(にいの ちかのり)です。

叔父でもある、新野親矩にかくまわれ、
この次郎法師虎松、虎松の母とともに
なんとか、救われました。

しかし、悲運がまたもや

その頼りにしていた新野親矩が永禄6年(1563)に戦死。
次に頼ったのが、
次郎法師の大叔父・南渓

南渓は、龍潭寺の住職であったため幼い虎松を鳳来寺へ移す。

そして、永禄8年(1565年)
次郎法師は、女でありながら直虎と名を変えて
井伊氏の当主となります。

そして、
天正3年(1575)徳川家康に小姓として、取り立てられるまで
井伊直虎は、虎松を養子として立派に育てあげることになります。

このあたりの詳しい解説は
来年の大河ドラマに譲りたいと思います。

そして、天正10年(1582)、
22歳で元服し虎松改め、井伊直政と名乗ることに。

井伊直虎は、
かつて許嫁であった井伊直親の息子・虎松が立派に成人したのを
見届けたこの年に、亡くなっています。

実に美しい生きざまですね。

かつて愛した男性の息子を
最後まで、養育し、かつ井伊家存続に奔走した女傑。
また、来年の楽しみが増えました(笑)

【関ケ原の戦いで、真田親子の命を救ったのは、井伊直政】

かつて戦国最強とうたわれ

実際に徳川家康は、三方ヶ原の戦いで惨敗。
その強さを認識していたからこそ、

天正壬午の乱で甲斐・信濃に攻め込んだ時に
真っ先になにをしたかといえば
旧武田家臣を自分の配下に収めることでした。

武田家四天王のひとり山県昌景(やまがたまさかげ)の赤備の軍隊は
とくに最強で、この部隊を預けられたのが
井伊直政です。

これからのちは、井伊の赤備(あかぞなえ)と呼ばれ、
敵方に恐れられます。

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そして、慶長5年(1600)関ケ原の戦いで
真田親子は、東西にわかれ
結果はご存じの東軍の勝利。

西軍側についた真田昌幸信繁
家康の本隊ともいえる徳川秀忠(二代将軍)の軍を足止めし
結局は、関ケ原の戦いに間に合いませんでした。

このため、戦後処理の段階になって
東軍についた兄・信之(のぶゆき)は
懸命に父・弟の助命嘆願活動を開始。

もちろん、妻・小松姫(吉田羊)の父・本多忠勝
信之のため
『信之の願いがかなわなければ、我が殿(家康)と一戦交えることも辞さず』
と取り成しをしています。

さらにもうひとり、
井伊直政真田信之の能力をたいへん
買っていたので、

ここで、信之の願いを聞き入れれば
将来にわたって、徳川家の支えになってくれるだろうとの
思いから、助命活動に参加。

が、関ケ原での屈辱を味わった徳川秀忠は、かたくなに
切腹を要求。

結局は、高野山追放ということで決着しました。

それにしても、あれだけの妨害をしておいて
助かったのも、

真田信之の能力も素晴らしいですが
人柄もよく、人に認められる仁徳みたいなものが
あったからこそ、だと感じました。

実際のちに、意外な人物とも交流がありました。

実は、徳川時代を通じて真田家が不寝番をつけて
守護してきた長持(ながもち)
がありました。

昔の武家でよく使われる大型の木箱から
出てきたものが

関ケ原の西軍の実質的な総大将
石田三成
やり取りした手紙が13通ほど出てきました。

その手紙の中では、あの実直な石田三成が愚痴っぽいことば
が見られ、いかに信之が、人から好かれ、人徳があったかを
示すいい証拠だと思います。

最終的には、徳川家康真田信之を認めて
いたのでしょう。
そこへもって、井伊直政本多忠勝
助命活動があっては、さすがの家康も
首をたてにふるしか、なかったでしょう。

弟の信繁ばかりが
注目を集めていますが、
これからは、真田信之にも人気が出ること
間違いなしと思います。

大泉洋さんのいつものお茶らけたイメージを
封印しながらの演技が逆に好印象を感じますね。

【誰が直政をやるのか!?】

この徳川幕府成立に大貢献した井伊直政
真田丸で出てこないのでしょうか?

今のところキャストは、組まれていませんが
井伊直政自身は、関ケ原の戦いで負った
キズが癒えずに
慶長7年(1602)に亡くなっています。

なので、真田丸のクライマックスである
大坂の陣の頃(1615)には
もちろん、出られないわけで
直政自身がかなりのイケメンだったという
噂があり、
『ディーン・フジオカ』さんあたりが
いいかなとも、思ったりしたのですが

どうでしょうか?

このあたりも推測しながら、ドラマを
みれば、ますます楽しみながら
視聴できるので、よかったら
推測してくださいね。

ではでは。

真田兄弟から慕われた姉・松(木村佳乃さん)はどうなる?
真田丸の松は、今後どうなるのでしょう?

男前の前川泰之(まえかわやすゆき)さん演じる春日信達の前科とは!?
真田丸の第8回目のあらすじで、春日信達なる人物とは?