直虎が、次郎法師という名前から
改名し、いよいよ井伊家の領主として
活躍するときがやってきました。

そして、
直虎が領主となったのは永禄8年(1565)。

その直虎が継いだ井伊家を長年支配下に
おいていた今川家が、滅んだのが
永禄12年(1569)。

つまり、何が言いたいかと
申しますと、直虎は
井伊家が、今川の支配によって
今、まさに滅びようとしている

井伊家をぎりぎりのところで
井伊家を救ったということを
言いたいのです。

つまり、直虎が継いだ井伊家は
井伊家を支配していた今川家とともに
滅ぶ運命だったのを
かろうじて救った
救世主になるわけです。

じゃ、直虎がおんなながらも
領主として活躍する裏には
やはり誰かの助けが
必要だったわけですが、

その1人が、
瀬戸方久(せとほうきゅう)なる人物です。

大河では、
ムロツヨシさんが好演されてます。

この人物は、実在した人物で
いわゆる郷士という
百姓と武士の中間的な存在で
突如成り上がってきた
豪商だった人物です。

では、詳しくみていきましょう!

スポンサーリンク

小見出し

【戦国時代の商人】

勤勉

時は、戦国時代真っただ中。

遠江の一国人領主であった
井伊家は、永禄4年(1561)に生まれた
幼き虎松を残し、井伊家の血筋を担う
男子がことごとく、死んでしまい
まさに、滅ぶ寸前。

この絶対絶命のときに
井伊家の領主となったのが
井伊直虎。

ただ、直虎の父・直盛が戦死した
桶狭間の戦い以降、いくさ続きで
井伊家は、財政的にも
厳しく、まったく余裕がない状態でした。

大河ドラマでは
このへんがうまく描かれていて
荒廃した田んぼの風景や

百姓たちが、男手がとられて
どうしようもない様子が
うまく描かれています。

そして、井伊家も戦の費用を
捻出するために
借金をしていました。

ドラマでは
瀬戸方久(せとほうきゅう)からことごとく
借り入れをしているように
描かれています。

この瀬戸方久は、
商売に才能があったのか
一代で財を成した
人物で、
井伊家と深くかかわっていました。

下記に瀬戸方久に関する場所を
示した地図を掲載します。
【緑の旗をクリックしてね。】
下向きの⇩

【直虎を利用して成り上がり一躍城主に】

虎が身構える

直虎のほうも、
この瀬戸方久なる豪商の財力を
利用してなんとか、
井伊家を切り盛りして
いたわけですが、

この井伊家の乗っ取りを企んでいた
小野政次(髙橋一生さん)は、
直虎を失脚させるために

百姓達が望む徳政令
わかりやすく、いうと
借金の棒引きを認めてもらうために

本来であれば、
井伊家に訴えるべき事案を

井伊家を飛び越えて
今川氏真のもとへ
直訴するように画策。

そして、ついに
永禄9年、今川氏真の名で
井伊谷(いいのや)一帯に
徳政令が出されてしまいます。

この徳政令を直虎が
認めてしまえば、
いわゆるお金の貸し手
つまり債権者が、困るばかりか

そこを統治している
直虎自身が、責任を問われるので
直虎が、今川氏真の出した徳政令を
いわゆる無視したのでした。

この無視は、2年の長きにわたって
のらりくらりと直虎が、
いろんな理由をつけて
引き延ばして
いたわけですが、

ただ、引き延ばすだけでなく
債権者、つまり瀬戸方久に対し
もし、徳政令が出ても
ちゃんと借金が
帰ってくるように手段を
講じていました。

そして、瀬戸方久自身も
ちゃっかり今川方に交渉し
自身の統治する井伊谷一帯だけは
免(まぬが)れるように
裏工作をしていました。

その際、今川方から
刑部城(おさかべじょう)と堀川城に
蔵を増設して、武器や食料の調達を
命じられ、

堀川城主にまで大出世を
しています。

スポンサーリンク

【野心家の最後は?】

ただ、瀬戸方久にとって
大誤算だったのは、
頼りにした

今川方が、
永禄12年(1569)、
武田信玄と示し合わせた
徳川家康によって
あっさり滅んだことです。

堀川城の城主であった瀬戸方久は、
さすがに一代で財を成した男だけに
このままでは、危ないと感じ、
徳川方に
寝返ることを部下達に提案。

しかし、今川から派遣された部下たちは
これに反発。

ついに堀川城から
一目散に脱出するはめに。

結局、家康にも、直虎にも
認めらず、もとのもくあみと
なってしまいました。

その後、気賀(きが)関所近くで
余生を送ったそうですが
慶長年間(1596~1615)
気賀村を代表してある訴状を書いたことが
命とりとなり、のちに処刑。

なんとも、さびしい最後に。

去年の真田丸で
真田信繁(堺雅人さん)が一時、人質として
仕えた越後の上杉景勝(遠藤憲一さん)。

この上杉景勝が
『死にざまは、その人の生きざまだ!』

と語っていたように、
瀬戸方久なる人物も
最後は、処刑。

野心をぎらつかせた人物の
はかない最後。

なんともさびしいですね。

ではでは。